肌トラブルの一つであるしみは、メラニン色素が原因だということは皆さんご存知かと思います。
ですが、しみが出来るメカニズムなどはあまりよく知らないという方が多いのではないでしょうか。そこで、しみとメラニンの仕組みやしみのケア・対策方法をご紹介します。
目次
あなたのシミはどのタイプ?
シミのケアはどのタイプかによって方法も変わってきます。
なので、まずは自分のシミがどのタイプなのか知ることが大切です。
老人性色素斑
- 急にシミが増えてきた
- ファンデーションを普段からあまり塗らない
- 20歳を過ぎて日焼けをしたことがある
- 少し盛り上がっているシミがある
これらに当てはまる人は老人性色素斑である可能性が高いです。
紫外線や加齢によって出来るシミで、多くの人はこのタイプのシミに分類されます。
色は淡褐色~褐色で、出来始めは薄い茶色ですが次第に濃くはっきりしてきます。
左右対称ではないのが特徴で、頬骨の高い位置からできはじめることが多く、数ミリ~数センチの丸い色素斑です。
肝斑
- 30代後半~50代になって突然できた
- 左右対称
- 妊娠中、ピル服用中、更年期にできた
- 薄い茶色や灰色で広い範囲にシミがある
これらに当てはまる人は肝斑かもしれません。
頬骨から目尻に沿って左右対称にできるのが特徴ですが、まれにおでこや鼻の下にできる方も居ます。
炎症性色素沈着
- ニキビができやすく治りにくい
- ニキビ痕や虫刺され痕がなかなか消えない
- ノーメイクで過ごすことが多い
- スキンケアの際に肌をこする癖がある
これらに当てはまる方は炎症性色素沈着である可能性があります。
色は淡褐色~褐色で青っぽく見える場合もあります。
炎症性色素沈着は、時間のかかるものの炎症が収まると消えていくことが多いですが、紫外線を浴びるとそのまま残ってしまうこともあります。
濃くなってしまう前に早めのケアが必要になります。
そばかす
- 10代の頃に出来始めた
- 三角や四角など形がバラバラ
- 鼻から頬にかけて散らばっている
- 肌は色白
これらに当てはまる方はそばかすである可能性が高いです。
そばかすは小さなシミではなく遺伝的な要素によって出来るもので、多くの方は10代の思春期から目立ち始めます。
厳密にはシミでないものの、紫外線対策を怠ると濃くなってしまうのでケアを忘れず行いましょう。
しみとメラニンの関係
しみは何らかの刺激によって、メラニンが過剰に生成させることで発生します。メラニンはメラノサイトにより作られるのですが、皮膚はメラノサイトに対し、「メラニンを作りなさい」と指令する物質が存在するのです。
メラノサイトを活性化させる原因について以下のようなものがあります。
1、紫外線
紫外線にはUVAとUVBと呼ばれるものがあり、波長が短いUVBは皮膚の細胞を直接攻撃し、DNAを傷付けます。
紫外線が入ると、体は細胞を守るためメラノサイトを刺激し、メラニン色素を作り出す成分が活性化します。
紫外線を浴びることが無いと、メラニン色素が作られなくなるので皮膚は新陳代謝が行われて元に戻ります。
ですが、皮膚の細胞のDNAに異変が起こることでメラノサイトが活性化されたままになり、しみとなって肌に現れるのです。
2、活性酸素
体内で活性酸素が発生すると、活性酸素を除去するためにメラノサイト刺激ホルモンが分泌されます。そのホルモンが分泌されることで、メラニン色素が作り出されるのです。
紫外線やストレス、喫煙や飲酒、食品添加物、便秘、激しい運動、睡眠不足など生活の中で起こる様々な原因によって活性酸素は発生します。
3、炎症
皮膚に炎症が起こると、炎症による刺激を回復するために、体内で新しい細胞を作ろうという働きが活発になります。すると、メラノサイトまで一緒に活性化しメラニン色素の生成が促され、色素沈着が起きてしまうのです。
ニキビ跡や肝斑などは、炎症によるしみの代表的なものと言えます。
皮膚に炎症を起こす原因として、日焼けや摩擦、虫刺され、火傷や怪我、湿疹、ニキビ、女性ホルモンの乱れ、化粧品の強い刺激などが考えられます。
ニキビや外傷のような目に見えてわかる炎症でなくても、長期的に炎症が続くことでしみの原因になることもあります。
正しいしみのケア方法とは?
しみは一度濃くなると、完治するまでに時間がかかります。ですが、正しくケアすることで綺麗に消える場合が多いので、毎日のスキンケアを念入りに行いましょう。
自分で出来るしみのケア方法には以下のようなものがあります。しみをこれ以上悪化させないために、紫外線に注意しましょう。
- 普段から日傘やサングラスの使用を心掛け、日焼け止めやファンデーションなどで肌を出来る限り守るように意識しましょう。
- 美白成分が配合された化粧品でケアを行い、定期的にフェイスマッサージやスペシャルパックなども取り入れ念入りにお手入れをしましょう。
- 肌の保湿に力を入れ、炎症によって刺激を受けた肌の角層の保湿力を補ってあげましょう。
- しみを悪化させる睡眠不足やストレス、過労などに気を付け出来るだけストレスフリーな生活を心掛けましょう。
しみを悪化させる習慣に注意!
何気なく行っている習慣で、しみを悪化させてしまう場合があるので気を付けましょう。しみに悪影響を与える習慣には以下のようなものがあります。
- ・顔をこすったりタオルなどでごしごし拭いている方は要注意です。こすることで肌に刺激を加えているのでしみが濃くなってしまいます。肌に触れるときは優しく刺激を与えないように気を付けましょう。
- ・ポイントメイクは専用のメイク落としで落としましょう。落としにくいアイメイクや口紅などを、普通のクレンジング剤で落とそうとすると余計な力が入ったりごしごしとこすりがちです。クレンジングの時間が長くなり、肌に負担を与えてしまいます。ポイントメイクは専用のメイク落としで先に落とし、通常のクレンジングをしましょう。
- ・入浴中はシャワーで顔を流してしまいがちですが、シャワーの水圧は強く、温度も熱すぎる場合があります。肌にとっても刺激が強く、しみにも悪影響です。
洗顔する際はシャワーの使用を避け、ぬるま湯を洗面器などに入れて手で優しくすすぐようにしましょう。
知っておきたい美白成分
しみが出来ないように日ごろからケアを欠かさず行うことは大切です。
しかし、すでにしみが出来てしまっているという人も少なくないと思います。
そこで出来てしまったしみへの対処法としてまずおすすめなのは美白効果のある化粧品を使うことです。
数多くある美白化粧品の中でも、どんな成分が入ったものを選べば良いかで効果が変わってくるかと思います。
厚生労働省が認めている美白成分
厚生労働省が認めている美白成分が配合されている化粧品の基本的な目的は「メラニン色素生成を抑えることにより、日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ」といったことにあります。
●カモミラET:カモミールに含まれる成分で、抗炎症作用があります。
●トラネキサム酸:本来は抗炎症剤として使われていましたが、美白成分として開発されています。
●シクロアミノ酸誘導体:メラニンの生成を抑えて、シミ・そばかすを防ぐ「美白効果」と「肌荒れ防止効果」の両方があると認められています。
●コウジ酸:味噌や醤油などの麴菌由来の成分です。
●プラセンタエキス:豚の胎盤から抽出された成分です。
●ビタミンC誘導体:ビタミンCを肌に吸収しやすい形に変えたものを言います。抗酸化作用もあるためニキビなどの炎症を抑えるのにも有効です。
このような成分が多く含まれている化粧品を継続して使うことでシミが薄くなるなどの効果が期待できるかと思います。
しみが改善されない場合は…
念入りにケアしてもしみが改善されない場合もあると思います。特に、美白成分が配合された化粧品を3ヶ月使い続けても効果が現れないという場合は、化粧品だけでは効果が期待できない種類のしみかもしれません。
そのような場合は、セルフケアを続けずに美容クリニックで相談しましょう。
美容クリニックでは、しみの症状に合わせて効果的な治療を行ってくれます。本格的なレーザー治療やフォトフェイシャルで、しみや肝斑にも高い効果を発揮します。
使用している化粧品の効果が出ないからといって新しく高級な美白化粧品を買いそろえるよりは、早めに美容クリニックでしみの治療をした方がお勧めです。今あるしみが悪化してしまわないように、まずはクリニックで相談してみましょう。